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指値注文と逆指値注文の違いを解説

初心者向け
取引
2023年9月15日
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指値注文と逆指値注文は、トレードで一般的に使用される注文方法です。これらの方法を用いることで取引の戦略的なコントロールと自動化が可能になります。そのため、これらの方法を正しく理解して活用することが投資に成功するための重要なカギとなります。また、これら2種類の注文には大きな違いがあります。この記事では、指値注文と逆指値注文の違いとそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

この記事のポイント

  • 指値注文は、具体的な希望注文価格を指定することで注文を正確にコントロールします。

  • 逆指値注文は、市場価格が指定したレベルに達したときに注文を確実にトリガーします。 

  • 逆指値・指値注文は、逆指値注文と指値注文の特徴を組み合わせた注文方法です。逆指値注文で注文をトリガーした後、その注文を指値注文に変換して希望の指値価格で約定させます。

指値注文とは?

指値注文とは、特定の資産を売買する際の最低価格(売り注文)または最大価格(買い注文)を指定する注文方法です。売買したい価格をあらかじめ設定しておくことで、注文の売り買いを正確にコントロールできます。指値注文は約定されるかトレーダーがキャンセルするまでアクティブな状態を維持します。

指値買い注文

指値買い注文の場合、暗号資産を購入する際に具体的な注文価格を設定できます。例えば、イーサリアムが現在2,000ドルで取引されている時に、1,950ドルで指値買い注文を出したとします。この場合、ETHが指値価格の1,950ドル以下になるとETHを購入することになります。つまり、指値価格に達した時点で指値買い注文がトリガーされ、約定待ちの状態になります。

指値買い注文は、市場価格が下がると予測されるタイミングで安くロングポジションを建てる際に良く使用されます。指値買い注文を設定することで、市場価格が事前に決めたレベルに達した場合、自動的にその資産を購入することができます。つまり、ロングポジションの参入価格をより低くすることができます。

指値売り注文

指値売り注文は、現在の市場価格よりも高い価格で暗号資産を売りたい場合に使用します。例えば、イーサリアムが現在2,000ドルで取引されている時に、2,100ドルで指値売り注文を出したとします。この場合、ETHが指値価格の2,100ドル以上になるとETHを売却することになります。つまり、指値価格の2,100ドルに達した時点で指値買い注文がトリガーされ、約定待ちの状態になります。

指値売り注文は、特定の価格以上で暗号資産を売りたい場合に使用します。投資家は資産が最大化する、またはレジスタンスレベルに達すると考えられる価格点をターゲット価格として設定する場合があります。指値売り注文を設定することで、資産を希望価格で売却するプロセスを自動化し、利益の確定やリスク管理が容易になります。

逆指値注文とは?

逆指値注文(損切注文または逆指値参入注文とも呼ばれる)は、損失を抑えるため、または市場価格が一定のレベルに達したときに取引を開始するために使用されます。つまり、大きな損失を防いだり、価格変動を利用してより効率的に収益を増やしたい場合に利用されます。

逆指値買い注文

逆指値買い注文は、現在の市場資産価値よりも高い価格で暗号資産を購入たい場合に使用します。例えば、ビットコインが現在19,000ドルで取引されており、将来的に20,100ドルを超えると予想して、20,100ドルで逆指値注文を出したとします。この場合、ビットコイン価格が20,100ドルに達した時点で逆指値買い注文がトリガーされ、約定待ちの状態になります。

逆指値買い注文は、資産価格が特定のレジスタンスレベルを突破した後も上昇し続けると予想される場合に使用されます。逆指値買い注文を設定することで、資産価格が事前に決められた価格を超えた時点で自動的にロングポジションを建てることができます。これにより、将来的な利益を狙うことができます。

逆指値売り注文

逆指値売り注文は、現在の市場価格よりも低い価格で資産を売却したい場合に使用します。例えば、ビットコインが現在20,000ドルで取引されており、将来的に18,950ドルまで下落すると予想して、18,950ドルで逆指値売り注文を出したとします。この場合、ビットコイン価格が18,950ドルを下回った時点で逆指値売り注文がトリガーされ、約定待ちの状態になります。

逆指値売り注文は、資産価格が特定のサポートレベルを下回った場合に、さらなる損失を回避する目的で一般的に使用されます。逆指値売り注文を設定しておけば、市場価格があらかじめ決められたレベルに達した場合に資産を自動的に売却できます。これにより、損失のリスクを最小限に抑え、効果的にリスク管理が行えます。

指値注文と逆指値注文の違い

指値注文と逆指値注文はどちらも通常の取引で使用されますが、その機能と目的には大きな違いがあります。

とりわけ指値注文と逆指値注文は使用する目的が異なります。

一般的に指値注文は、資産を売買する際の価格をより正確にコントロールするために使用されます。指値注文を使用する場合、注文価格の明確な基準を設定し、そのあらかじめ設定した価格に達した場合のみ注文を行います。発注した注文は約定またはキャンセルされるまでアクティブ注文のままとなります。このように、指値注文は注文価格をより正確にコントロールできるという利点があるため、特定の価格で確実にポジションを売買したい場合に使用されます。

一方で逆指値注文は、損失のリスクを軽減したい場合や、市場価格が特定のレベルに達したときに取引を確実に開始したい場合に使用されます。逆指値注文は、逆指値価格に達すると成行注文が有効になるトリガーポイントとして機能します。例えば、価格がさらに下落した際のリスクを抑えたい場合、現在の市場価格よりよりも低い価格点で逆指値売り注文を設定することができます。一般的に逆指値注文はリスク管理ツールとして使用され、市場が不利に動いた場合のポジションの決済を自動化する目的で使用されます。

ここで注意すべき点は、指値注文はあくまで価格をより正確にコントロールするものであり、約定を保証するものではない、ということです。市場価格があらかじめ指定した指値価格に達しても、状況によっては注文が約定しない場合があります。一方で逆指値注文は、逆指値価格に達すると必ず約定しますが、スリッページや市場のギャップによって約定価格が逆指値価格と異なる場合があります。

以上をまとめると、指値注文と逆指値注文の主な違いは、そのトリガーメカニズムにあります。指値注文は約定価格を正確にコントロールできる一方、逆指値注文は指定した価格に達したときに成行注文のトリガーします。指値注文と逆指値注文をさまざまな市場環境に応じて効率的に使い分けるには、これらの違いをしっかりと理解しておく必要があります。

指値注文と逆指値注文のメリット・デメリット

指値注文と逆指値注文にはそれぞれメリットとデメリットがあります。取引戦略に取り入れる前にそれらをしっかりと理解しておきましょう。

指値注文のメリット

約定価格を正確にコントロールできる:指値注文では、資産を売買する約定価格を正確に指定することができます。これにより、希望どおりの価格で資産を売買することができます。

価格変動による不利な約定の回避:指値注文を設定することで、希望している価格よりも高すぎる価格で購入してしまう、または低すぎる価格で売却してしまうという状況を防ぐことができます。

価格変動に惑わされない:指値注文を使用した場合、市場価格が指定した価格に達すると自動で取引が行われるため、急な価格変動に影響されて衝動的に取引を行ってしまうリスクを抑えることができます。

指値注文のデメリット

約定しない可能性がある:指値注文は、市場価格が指定した指値価格に達しなかった場合、約定しない可能性があります。指定した指値価格に達したとしても注文したポジションに対して十分な流動性が足りない場合、取引機会を逃したり、約定が遅れたりする可能性があります。

市場のボラティリティの影響を受ける:市場のボラティリティが高い場合(特に市場価格が指定した価格から急速に乖離した場合)、流動性が低下して指値注文が約定されない可能性があります。その際、指値注文は部分的に約定されるか、全く約定されない可能性があります。

逆指値注文のメリット

リスク管理ができる:損切注文は、市場価格が事前に決められた価格まで下落した場合に自動的に資産の売却をトリガーすることで、より効率的にリスクを管理できます。これにより、損失の発生リスクを回避し、資産を保護することができます。

取引を開始する:逆指値注文は、資産価格が指定されたレベルを上回った際に自動的に買い注文をトリガーして取引を開始することができます。これにより、市場で特定のトレンドや急な価格変動が発生した時にポジションを建てることができます。

感情を取り除く:逆指値注文を使用すれば、感情の影響を最小限に抑え、取引の判断ミスを防ぐことができます。市場価格が予め設定した価格に到達すれば、その取引は自動的に約定されます。これにより、感情のブレによる取引の判断ミスを減らすことができます。

逆指値注文のデメリット

約定価格と逆指値価格の乖離:逆指値注文は約定を保証しますが、市場のボラティリティ、スリッページ、ギャップなどの要因で、実際の約定価格が逆指値価格から乖離する場合があります。そのため、予期せぬ損失が発生したり、最適でない参入価格で約定してしまったりする可能性があります。

ホイップソーイング:ボラティリティの高い市場で逆指値注文を使用する場合は、ホイップソーイング(逆指値注文がトリガーされた直後に価格が反対方向に向かって急速に動く現象)に注意する必要があります。ホイップソーイングが発生すると、不利な価格で取引をしてしまう可能性があります。

このように指値注文と逆指値注文のメリットとデメリットを事前に理解しておくことで、これらの注文を効果的に利用することができます。 

逆指値・指値注文とは?

逆指値・指値注文は、逆指値注文と指値注文を組み合わせた条件付き注文のことです。逆指値価格と指値価格の両方を設定することで、取引の約定条件をより正確にコントロールすることができます。市場価格が逆指値価格に達すると、逆指値・指値注文は指値注文に変わります。その後、指定された指値価格でのみ取引が約定されます。

逆指値・指値注文の逆指値価格は、指値注文のトリガーポイントとなります。つまり、市場価格が逆指値価格に到達すると逆指値注文がトリガーされ、指値注文に変換されます。

逆指値・指値注文の指値価格は、資産を売買する際の最高価格または最低価格を指定します。約定価格が保証されていない逆指値注文とは異なり、逆指値・指値注文では特定の指値価格を設定することで、約定価格をより正確にコントロールすることができます。

逆指値・指値注文の仕組みは?

以下の例を参考に考えてみましょう。ある暗号資産が現在25ドルで取引されており、価格が20ドルを下回ったらポジションを決済したいと考えていると仮定します。この場合、逆指値・指値注文を作成して、逆指値価格を20ドル、指値価格を19.50ドルに設定します。暗号資産価格が20ドルまで下落すると逆指値・指値注文がトリガーされ、ポジションを19.50ドル(またはそれより有利な価格)で売却する指値注文に変更されます。

このように、逆指値・指値注文は価格変動が大きくボラティリティの高い市場で役立ちます。取引の正確な約定条件を設定しておくことで、スリッページや予期せぬ価格ギャップなどのリスクを軽減することができます。

ただし逆指値・指値注文では、市場が指定した逆指値価格に達しなかった場合、約定しない可能性があります。さらに市場のボラティリティが高まっていると、指定した指値価格で注文が約定せず、取引機会を逃す可能性があります。

おわりに

指値注文と逆指値注文を効果的に活用するには、それぞれの違いをしっかりと理解し、状況に応じて使い分けることが重要です。指値注文は約定価格を正確にコントロールし、希望する価格で売買することができます。一方で逆指値注文は価格に関係なく約定を保証するため、リスク管理に役立ちます。逆指値・指値注文では、逆指値と指値の両方を設定することで、取引の約定の精度をさらに高めることができます。これらの注文方法を戦略的に活用することで、リスクを効果的に管理しながら意思決定を強化し、取引の成果を向上させることができます。

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