WSOT 2024期間中の主要な市場牽引要因とは
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わずか30秒で記事の内容を把握し、市場の反応を測ることができます。
この記事のポイント:
現在の主要な市場牽引要因としては、米国連邦準備制度理事会幹部の発言、2024年10月に発表される米国経済統計、日本銀行の決定事項などがあります。また、米国大統領選挙に関連する仮想通貨(暗号資産)業界の動向は、市場のセンチメントに大きな影響を与える可能性があります。
通常の場合、景気後退を示す経済統計に呼応する金利引き下げサイクルでは、市場の停滞感が広まります。しかし、その一方で、景気後退環境ではない金利引き下げは、往々にして強気市場への追い風となります。
米国大統領選挙では、ドナルド・トランプ氏の勝利の方が、カマラ・ハリス氏の勝利よりも、仮想通貨にとって明るい材料となると見られています。
WSOT 2024は、2024年10月10日19:00(日本時間)から、2024年10月31日19:00(日本時間)まで開催されます。この記事では、この期間の主な価格牽引要因について概説し、こうした要因を活用して、潜在的な利益を得る方法についての洞察をご提案します。
WSOT 2024における主な仮想通貨市場の牽引要因
マクロ経済変動要因
FRB会合
2024年11月6日~7日 | 連邦公開市場委員会の会合 |
2024年12月17日~18日 | 連邦公開市場委員会の会合 |
2024年10月には連邦公開市場委員会の会合予定はありません。しかし、経済統計の発表を受けた中央銀行の発言は、大きな市場変動を引き起こすことがあります。経済統計の発表を受け、中央銀行幹部がこうした統計値をどのように解釈するかは、投資家のセンチメントや将来の金融政策展望に影響を与える可能性があります。金利、インフレ懸念、経済成長に関するシグナルは、市場のボラティリティを高める可能性があり、仮想通貨を含むさまざまな市場での資産価格に影響を与えます。
2024年10月30日 | 日銀金融政策決定会合 |
2024年9月19日に行われた日本銀行(日銀)の金融政策会合の決定内容を受け、ビットコインとイーサリアムの価格は大幅に上昇しました。この動きは、日銀によるタカ派的政策、つまり中央銀行である日銀が、金利の引き上げや金融引き締め政策の維持を行うという見通しが、資産に関するリスク全般を悪化させる可能性がある、という市場の見方に起因します。
経済カレンダー
日付 | 主要経済統計発表日 |
2024年10月1日 | ISM製造業PMI(9月) |
| JOLTS求人件数(8月) |
2024年10月2日 | ADP非農業部門雇用者数(9月) |
2024年10月3日 | ISM非製造業PMI(9月) |
2024年10月4日 | 非農業部門雇用者数(9月) |
| 失業率(9月) |
2024年10月10日 | CPI(9月) |
2024年10月11日 | PPI(9月) |
出所:Bybit(バイビット)、Bloomberg
市場参加者にとり、インフレと経済成長が重要な懸案事項である状況が続きます。仮想通貨などのリスクオン資産にとっては、ソフトランディング(インフレの鈍化と堅調な経済成長が同時に進行すること)が特にプラス材料となります。
このシナリオでは、積極的な利上げの観測が後退し、経済環境の安定化が個人消費と企業投資を下支えます。安定した経済環境下で仮想通貨の投資妙味が増し、より高いリターンを求める投資家の同資産への注目度が上がります。
仮想通貨イベント
日付 | イベント |
9月30日~10月2日 | メインネット2024 |
10月9日~10月11日 | パーミッションレスIII 2024 |
10月30日~10月31日 | SmartCon 2024 |
重要なイベントは見逃さないように注意する必要があります。プロトコルやコミュニティは、こうした重要イベント期間に新商品や開発を発表することが多いからです。
米国大統領選挙
2024年11月5日に予定されている米国大統領選挙では、ドナルド・トランプ氏とカマラ・ハリス氏の得票予想や新政策が、選挙後の市場動向を予想する有益情報となる可能性があります。
牽引要因に乗じる
マクロ経済要因
2024年1月にビットコイン現物ETFが上場されて以来、BTCとマクロ経済要因の相関関係は強くなっています。これは、市場のトレーダーが、BTCをリスクオン資産として捉えていることを示唆しています。相関関係が強くなっていることは、しばしばBTCが市場の動きを先導していることを意味します。この動きは、従来の取引時間でない時間でも見られます。そして、市場取引中は米国株式と密接に連動しています。仮想通貨は、ますます市場全般のセンチメントの影響を受けやすくなってきています。したがって、このセンチメントを把握することが、市場サイクルにおける次の段階を予測するための不可欠要素となります。
ビットコインなどの仮想通貨が、ますますリスクオン資産の値動きを見せるようになっていることを踏まえると、FRBの利下げサイクルに対するこうした資産の反応は、S&P 500の動きに酷似すると考えられます。過去の非景気後退期では、多くの場合、初期の段階で市場が低迷し、やがて金利の引き下げに伴う流動性の増加によって現物価格が上向きになるという動きが見られます。これとは対照的に、景気後退期(新型コロナウイルス感染症拡大期の特例を除きます)では、経済全般の脆弱性を背景に、比較的にリスクの高い資産のリターンが長期にわたり低迷する傾向が見られます。
米国大統領選挙
過去の選挙サイクルでは、政治情勢とビットコイン(BTC)価格の関係性は最小限にとどまっています。したがって、過去の価格変動は、将来のパフォーマンスを予測するための信頼できる指標とは言えません。しかし、ビットコインの主流化が進む中、2024年のデリバティブ統計データからは、価格に対する政治的要因の影響度が次第に顕著に表れてきていることが分かります。
この関係は、上のチャートを見れば明らかです。大統領選挙でトランプ氏が勝利する確率が2024年7月13日に60%から70%超に上昇した直後に、BTCの現物価格が急反発しました。また、ジョー・バイデン大統領が大統領選から撤退し、カマラ・ハリス氏を民主党候補に支持した2024年7月21日の動きも記録しています。もっとも、このニュースでBTCの現物価格が即時に反応したり、トランプ氏の当選確率が動いたりはしませんでした。ハリス氏が民主党候補に選ばれる確率は、それ以降の数ヶ月にわたって上昇していったためです。
さらに、推定変動率(対象オプションの価格プレミアムを示唆します)の期間構造が不規則な状況であることは、市場が選挙直後に大幅な価格変動を予想していることを示しています。特に注目すべき点は、BTCが米国の株式、特にS&P 500と強い相関関係を持っているにもかかわらず、その期間構造が歪んでいるという矛盾した状況にある点です。これは、BTC市場には明るい材料であるものの、米国株式市場には悪材料となるように見えます。両資産クラス間の相関が強まっていることを考えると、この差異は意外な状況です。
弊社が毎週お届けするデリバティブインサイト(https://learn.bybit.com/blockscholes/)を、市場ボラティリティの理解を深めるためにお役立てください。
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