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株式と仮想通貨(暗号資産)のテクニカル分析:類似点と相違点

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    取引
    TradFi
    May 26, 2025
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    テクニカル分析とは、過去の価格や売買高のデータに基づいて将来の価格変動を予測しようとする分析手法や分析指標の総称です。テクニカル分析は現代の金融取引において重要な位置を占めています。

    株式市場では、サポートレベルやレジスタンスレベル、ボリンジャーバンド、チャートパターン、移動平均などのテクニカル指標が長年使われています。仮想通貨(暗号資産)市場でも、株式と同じテクニカル分析手法を利用した価格予測が行われています。ただし、株式と仮想通貨には本質的な違いがあるため、株式のテクニカル分析手法を仮想通貨取引に直接適用しようとしても、それほど簡単ではない場合があります。

    この記事では、仮想通貨と株式に共通して利用できるテクニカル指標や、仮想通貨に適用すると問題が生じかねないテクニカル指標について解説します。

    この記事のポイント:

    • テクニカル指標の中には、株式市場と仮想通貨市場の両方で同じように使えるものがあります。その例としては、サポートレベルとレジスタンスレベル、ボリンジャーバンド、売買高に基づく手法(売買高加重平均価格(VWAP)や出来高プロファイルなど)が挙げられます。

    • チャートパターン、移動平均、相対力指数(RSI)などの指標については、仮想通貨取引に適用する場合に大幅な調整が必要となることがあります。

    株式と仮想通貨の類似点 

    サポートレベルとレジスタンスレベル

    サポートレベルとレジスタンスレベルは、テクニカル分析において特に重要な考え方です。サポートレベルとは下降トレンドがそこで止まると予想される価格水準であり、レジスタンスレベルとは上昇トレンドがそこで止まると予想される価格水準です。株式や仮想通貨の取引では、サポートレベルやレジスタンスレベルを特定することを重視します。その際に考慮する要因としては、資産の買われ過ぎや売られ過ぎを示す指標、特定の価格水準に集中する注文、過去の高値と安値、機関投資家の購入行動などがあります。

    サポートレベルとレジスタンスレベルは、株式と仮想通貨のどちらについても有意義な情報となります。ただし、株式に用いる場合の方がレベルを予測しやすい傾向にあります。その理由は、株式市場が仮想通貨市場より歴史が古いこと、流動性や機関投資家比率が高いことなどにあります。一方、仮想通貨の場合にサポートレベルとレジスタンスレベルが不明確になる理由としては、仮想通貨市場のボラティリティの高さ、クジラ(大口投資家)の存在、流動性の低さ、ニュースやネットのデマに反応しやすいことなどが挙げられます。こうした傾向は時価総額の小さいアルトコインの場合に顕著であり、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの主要仮想通貨ではサポートレベルとレジスタンスレベルが比較的明確です。

    上記のような違いはあるものの、どちらの市場にも人間の普遍的な心理が作用しているため、予測に関する一般的な法則はどちらにも当てはまります。

    たとえば、キリ番バイアス(切りのいい数字に対して偏った反応をすること)はサポートレベルとレジスタンスレベルの重要な決定要因となります。1 BTC = 70,000ドルといった切りのいい価格は、明確なサポートレベルやレジスタンスレベルとして機能します。経験の浅い個人投資家などはキリ番を中心に考えることが多いため(「この仮想通貨が70,000ドルになったら買おう」など)、そのような価格には明らかに注文が集中する傾向にあります。キリ番またはキリ番前後に注文が集中すると、サポートレベルやレジスタンスレベルが形成されやすくなります。

    サポートレベルとレジスタンスレベルは株式と仮想通貨の両方に使えますが、仮想通貨ではそれほど明確でないため慎重に使用してください。仮想通貨のテクニカル指標として用いる場合は、ピンポイントな価格の予想を期待せず、サポートゾーンやレジスタンスゾーンといった幅として扱う必要があります。 

    ボリンジャーバンド

    ボリンジャーバンドは主要テクニカル指標の1つで、価格チャート上に複数の価格帯(バンド)を想定するというものです。資産のn期間移動平均線の上下に、n期間の移動平均にn期間の標準偏差を加えた曲線と、n期間の移動平均からn期間の標準偏差を差し引いた曲線をそれぞれ描きます。

    ボリンジャーバンドは、株式と仮想通貨のどちらについても有意義な情報となります。たとえば、バンドの幅が狭くなるのは、ボラティリティが低下していることを表していると考えられます。指標の発明者であるJohn Bollinger氏によると、バンド幅の狭い状況が続いた後にはボラティリティが上昇することが多いため、バンド幅の縮小は市場の混乱が近づいていることを表している可能性があります。株式市場と仮想通貨市場のどちらにもボラティリティの周期があるので、ボリンジャーバンドをそのような目的で利用することは非常に有効です。

    また、ボリンジャーバンドは、トレンドが継続するかどうかの予想にも使えます。この用途も株式市場と仮想通貨市場の両方で有効です。移動平均線の上側のバンドを価格が上に突き抜けた場合や、移動平均線の下側のバンドを価格が下に突き抜けた場合は、それぞれ上昇トレンドや下降トレンドのシグナルとなります。ただし、仮想通貨市場では、価格がバンドを上下に突き抜けてもトレンドが発生しない場合がよくあります。そうした傾向は、ボラティリティが低く、クジラによる取引が活発な時期には特に顕著です。

    出来高プロファイルとVWAP

    通常、株式の機関投資家や仮想通貨のクジラなどは、売買高ベースの戦略を採用しています。その戦略では、売買高加重平均価格(VWAP)や出来高プロファイル指標などのテクニカル分析ツールにより分析を行います。

    VWAPとは売買高で加重平均した価格のことです。出来高プロファイルはテクニカル指標の1つで、通常は価格ごとの売買高の分布を表します。

    売買高ベースの指標を用いて分析を行う場合、時価総額の大きい仮想通貨と株式には類似性があります。たとえば、ビットコインのような仮想通貨やApple(AAPL)のような株式は、価格がVWAP近辺に収れんすることが少なくありません。また、価格がVWAPを上離れする動きや売買高の増加は、強気のクジラや機関投資家が活発に動いていることを示すシグナル、あるいは上昇トレンドが続くシグナルである場合があります。

    株式と仮想通貨の違い

    チャートパターン(ヘッドアンドショルダー、トライアングルなど)

    チャートパターンとは価格チャートの視覚的な形状(フォーメーション)であり、投資家の心理を表すと考えられています。過去の価格推移によって将来の価格を予想する際に役立ちます。チャートパターンには、トレンドの反転や継続を示す多くのパターンがあります。たとえば、双方向パターンの場合、価格がどちらの方向にも動く可能性があることを示します。一般的なパターンは以下のとおりです。

    • 反転パターン:ヘッドアンドショルダー、ウェッジ、ダブルトップとダブルボトム

    • 継続パターン:上昇トライアングルと下降トライアングル、ペナント、フラッグ

    • 双方向パターン:対称トライアングルとレクタングル

    同じパターンでも、売買高の動きやボラティリティなどの状況により、反転パターンや継続パターンとして解釈される場合も、双方向パターンとして解釈される場合もあることに注意してください。

    株式市場では、機関投資家の構造的な取引が盛んな場合に、パターンが形成される可能性が高くなります。それとは対照的に、仮想通貨市場ではパターンが形成されない場合が少なくありません。その理由は、ニュースやネットのデマ、クジラの相場操縦、低い流動性、パターンを先取りする取引ボット、機関投資家の明確な動きの不存在などです。したがって、仮想通貨を取引する場合は、パターンが明確に形成されるのを見極め、売買高データやその他のテクニカル指標などの補助的なシグナルも使用することをお勧めします。

    移動平均

    移動平均は、一定期間の平均価格を示すテクニカル指標です。最も基本的な移動平均は単純移動平均(SMA)で、これは過去の期間における非加重平均を用います。

    より高度な平均としては指数平滑移動平均(EMA)などがあります。EMAは現在に近いデータのウェイトを高くする加重平均です。

    株式市場でトレンド指標としてよく使われるのは50日移動平均や200日移動平均です。機関投資家も個人投資家も重視しており、それらに基づいてトレンドを予想して投資決定を行います。一方、仮想通貨の移動平均にはほとんど信頼性がありません。その理由は、ボラティリティの高さ、流動性の低さ、感情やデマに流される個人投資家の増加、機関投資家の取引活動の少なさ、短期的かつ高リスクな戦略を採用する投資家の増加などにあります。その結果、仮想通貨の価格は移動平均を大きく外れることが多く、それが1日に何回も発生する場合があります。

    移動平均は仮想通貨取引でも有効なシグナルとなる場合がありますが、個別に調整を行ったうえで用いる必要があります。仮想通貨では、移動平均を一般的なサポートゾーンあるいはレジスタンスゾーンとして扱う方が良いでしょう。また、移動平均の精度を高めるために、より短い期間(日次や週次)を採用することが望ましいといえます。

    相対力指数(RSI)

    相対力指数(RSI)は主要テクニカル指標の1つで、資産が買われ過ぎか売られ過ぎかを評価するものです。

    RSI値は0から100の数値となります。30未満は売られ過ぎ、70を超えると買われ過ぎを表します。

    RSIは株式(特に時価総額や売買高が大きい銘柄)ではうまく機能しますが、仮想通貨ではあまり有効ではありません。

    仮想通貨のRSIは、買われ過ぎまたは売られ過ぎの領域に長期間とどまることが珍しくありません。たとえば、あるアルトコインがブームになると、価格のつり上げや買い煽りが継続的に行われることにより、一攫千金を狙う個人投資家がさらに集まり、RSIが長期にわたって70を超える場合があります。

    したがって、仮想通貨取引にRSIを利用する場合は、他の指標でRSIのシグナルを検証するとともに、全体的な状況も考慮してください。

    終わりに

    優れたテクニカル分析手法を使用すると、仮想通貨取引の成績を大幅に高められる可能性があります。ただし、すべての手法が仮想通貨市場でも有効なわけではありません。

    サポートレベルとレジスタンスレベル、ボリンジャーバンド、売買高ベースの指標は、多少の調整を加えれば仮想通貨でも利用できる場合がありますが、チャートパターン、移動平均、RSIは大幅な調整が必要になります。そのような指標は無理に使用しなくてもかまいません。いずれにせよ、複数の指標を組み合わせ、他のデータで状況も把握したうえで取引を行うことが重要です。

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